2025年度アフガニスタン退避者等の自立を支える日本語教育への助成報告
アジア福祉教育財団は、難民・避難民の方々が日本で安定した生活を築いていくための支援に取り組む団体への助成を行っています。
2021年8月のアフガニスタン情勢の変化以降、日本と関わりのあった多くの人々が日本へ退避しています。来日後には、住居、家族の生活、就労などさまざまな課題がある一方、公的な支援は十分とはいえず、自ら日本での生活基盤を築いていくことが求められています。こうした中、公益財団法人パスウェイズ・ジャパン(以下「パスウェイズ・ジャパン」)は、アフガニスタン退避者の自立を支えるため、日本語教育の機会を提供する事業を実施しており、本財団はこの取り組みの必要性を踏まえ、パスウェイズ・ジャパンが実施する「アフガニスタン退避者等への日本語教育支援」に125万円の助成を行いました。

オンライン学習の様子
パスウェイズ・ジャパンによる事業の実施
パスウェイズ・ジャパンは、2025年6月から2026年6月まで、アフガニスタン退避者を対象にオンラインによる日本語教育を実施し、延べ31人が学びました。
初中級クラスでは、職場や公共機関などで必要となる日本語、「報告・相談・依頼」といった業務上のやり取り、「理由・比較・助言・意見交換」など、実際の生活や仕事に必要となるコミュニケーションを学びました。
また、フォローアップ講座では、日本での就職・転職を見据え、日本式の履歴書の作成や面接準備にも取り組みました。N3対策講座では、文法・語彙、聴解・読解、模擬試験など、日本語能力試験N3に向けた学習を行いました。
授業の実施にあたり、難民への日本語教育に豊富な実績を持つ公益社団法人 国際日本語普及協会(AJALT)の協力を得て実施されました。
日本語の評価と受講生の声
初中級クラスの修了者に対して講師による評価を行ったところ、「経歴や仕事、趣味などについて簡単な自己紹介ができる」「興味・関心がある内容であれば、やさしい日本語のニュースを聞いて理解できる」といった項目で、全員が「できる」以上と評価されています。新しい語彙、漢字、文法を学び、フォローアップ講座では履歴書を完成させることができたことを成果として挙げています。また、授業を通じて会話力が大きく伸びたと感じています。
学習者からは、日本語を学ぶことによって、仕事や将来のキャリアの可能性を広げようとする声も聞かれました。
受講生の一人は専門分野で研究を続けながら、より安定した仕事への転職を希望しているため、必要となるN3以上、さらにN2・N1相当の日本語力を身につけようと日本語学習を継続しています。
また別の受講生は、母国での経験を生かし、将来的に国際協力に関わる仕事への転職を希望しています。受講生たちは、学習機会を得たことで、職場で日本語を使う機会が増え、日本語を使うことへの抵抗感が減ったと感じている一方で、希望する仕事への転職には、さらに日本語力を高める必要があると考えています。
助成を通じて見えてきたこと
今回、パスウェイズ・ジャパンの事業を支援する中で、アフガニスタン退避者が日本で就労し、安定した生活を送るためには、日本語教育が重要な役割を果たしていることを改めて認識しました。
一方で、来日から年月が経過しても、仕事や学業、家庭生活と日本語学習を両立することが難しい状況ですが、さらに就労やキャリア形成に必要な日本語力を身につけるための継続的な学習機会も必要とされています。実際に、今回の受講生・修了生からは、講座の継続や、より上級となるN2相当のクラス開講を望む声が寄せられています。
今後に向けて
日本で生活するアフガニスタン退避者にとって、日本語の学習だけでなく、就活メンターシップや就活セミナーの開催など、就職・転職を具体的に支える取組みを組み合わせることにより、一人ひとりが希望する仕事に近づき、これまで培ってきた経験や専門性を生かして日本社会で活躍することが期待されます。
アジア福祉教育財団は今後も、現場で難民・避難民の支援に取り組む団体と協力しながら、支援を必要とする方々の自立と、地域社会との共生につながる取り組みを応援してまいります。
パスウェイズ・ジャパンのホームページもあわせてご覧ください
アフガニスタン退避者等向け日本語講座(初中級~N3対策)を実施しました - パスウェイズ・ジャパン



