在日カンボジアコミュニティへの資金援助(事業視察報告)
2023年度在日カンボジアコミュニティ(CCJ)は3件の資金援助活動がアジア福祉教育財団の資金援助対象となりました。現在まだ実施中のプログラムもありますが、視察を終えたので報告をいたします。
<社会保険セミナー>
インドシナ難民として日本に定住した方たちは、すでに年金の受給が始まる世代に到達しつつあります。言葉も文化も違う中で一生懸命に働き社会保険料も納付してきました。複雑な年金の受給について多くの人に正しい知識を得て欲しいと、このセミナーは開催されました。日本に帰化している人、永住者資格保持者または就労期間の違いなどもあり、皆さん自分事として熱心に質問をしていました。今回のセミナーは外部の会場ではなく、日常的に自分たちが集っているカンボジアのお寺での開催となったため、参加の敷居も低く、気軽に参加できていたようです。
<宿題教室>
親世代が日本式の勉強(算数のひっ算や漢字の書き方など)を知らないため、家で学習する習慣を持てずにいる子供がいます。また家で勉強しようとしても、大人にわからないことを尋ねることができずに、あきらめている子供たちもいます。そんな状況から抜け出すために、まずは「勉強の習慣をつける」ことを前提に宿題教室を開催しています。日本人の大学生に教えてもらいながら、決まった時間に勉強をすることを身につけ、「分かる・解ける」楽しみながら身をもって体験中です。
<伝統文化継承クメール(カンボジア)語・舞踊>
日本で生まれ、育ってきた子供たちは普段日本語で授業を受け、友達と話しています。でも親世代は自分たちにはクメール文化が息づいていることを知って欲しい、なによりも今なぜ日本にいるのか、日本語を話せないお祖父さんやお祖母さんとも会話をしてほしい、との想いから伝統文化の継承を行っています。自身の言葉で聞く、書く、話すを目指して、また舞踊では伝統的な舞の継承をコツコツと続けています。